ばれたくない。 ばらしたくない。 譲輝くんの、そばにいたいよ・・・・・ 「菜子? どうしたの?」 返事をしないあたしに、 首をかしげて不思議がってる。 眼を閉じて、 口をきゅっと結ぶ。 そして唇を震わし、 「――――そう、だね」 気持ちとは真逆の、 偽りの言葉を口にした。 このとき、 あたしは気付いてなかったんだ。 1番言ってはいけない、 禁句を口にしてしまった事を―――。