ポケットの携帯を取り出し、
譲輝くんの前で開ける。
別にそこまで気にしてたわけじゃないけど、
もし今日みたいに、
金曜以外にここに来るんだったら教えて欲しいし。
それに・・・・・ねぇ?
「赤外線しよー。早く!」
既に携帯をスタンバイして、
まだ渋ってる譲輝くんを急かす。
しょーがないなーって顔しながら、
譲輝くんも携帯を開いた。
んふふ、やった♪
心の中でひそかに
ガッツポーズを決めてると、
あたしの目の前を、
見慣れた人が通った――――。
ここらじゃ有名な偏差値の高い高校。
着くずされた制服と、
派手な茶髪が目に入る。
――――まさか。
「おにいちゃん!」

