胸の中にある、 暖かくて、柔らかい“何か”。 その何かが、 日に日に大きくなるのを感じて 毎日、少し不安になる。 なのに、全然イヤじゃない。 変にソワソワして、 譲輝くんに会える金曜日を 指折り数えてる――――。 ねぇ、譲輝くん。 もしもあたしが 譲輝くんにこのことを言ったら、 譲輝くんはどうする? 小説の役に立てちゃうかもね。 確かにあたしの中にある、 何か大きく暖かい感情。 この気持ちの名前に、 あたしはまだ気付いていなかった。