私は、食事に手をつけることなく、入浴した。 狭い浴室は自由のない、私の部屋の中でもまだまし。 部屋っぽいもん。 「学校だ、早くしろ」 悪魔の声で、いそいそ部屋を出る。 …そして、車に乗り込む瞬間に、走り出した。 そう、逃走したのだ。 「おいっ!待て!」 そんな言葉が、遠くに聞こえるまでの距離に来た。 学校は遅刻だけど、逃げられたし良かったかな? 刹那、誰かに頭を殴られた。 意識が無くなる寸前に、見えたのは母親と父親の姿。 私を睨む鋭い視線。