「そうだな。ワタシ達も帰る頃には、匂いが移ってそうだ」 うん、と私は頷いた。 香水とは全然違って、心が落ち着く香り。 他にも、色とりどりの花が所狭しと咲き誇る。 四季折々、今本当は咲いていないような物までも、其処には居心地良さげに咲いている。 「あ…!」 その中の1番奥には、桜があって、しかもまだ花びらがある。(※本当に、温室でそんなことが可能なのかはわかりません。) 私は、ゆっくり近付いた。 それは、本物の桜。 「先生!これって…」