その夜、亮介さんから電話が掛かってきた。



プルルルル



『はい』



『おう、俺』



『あれ1人なんですか?』



電話の向こうに声一つ聞こえない。
もちろん私が断ったからだってのは、知ってる。
ま、冗談ってとこかな。





『誰かさんが俺を1人にしたんだよ』



『へえ~』


思わず、吹き出してしまえば向こうからも、笑い声が聞こえた。




『苦情は受け付けませんよ』




『いや、俺には勿体ないくらい可愛いよ。ありがとな』



『お役に立てばいいんですけど』



『ああ。美空チャンも、深く考え過ぎるなよ』