「とりあえず間に合ってよかったあー…バス。」 夏が脱力感たっぷりにあたしに視線を投げ掛ける。 はいはい。あたしのせいっすよー。 それにしても。 朝のバスって結構混むんだ…。 周りを見渡せば、ここらの高校の制服を着た学生や汗を流したサラリーマン、何のためかのお婆さん。 エトセトラ…。 まあまあ。洸花の制服着た人まで…。 ってえ! 「(洸花あ?)」 「ねえ愛!あの人洸花の制服着てる!」 隣の夏も興奮気味に小声で叫ぶ。 夏もあたしと同じところに目線が行ったみたい。