上弦の月と下弦の月




「俺…、本当の両親がどんな人だったのか知りたい。
それにいつまでも俺を世話してもらうのも2人に悪いと思います。
…だから、旅に出ようと思います。」


すると養父はにっこりと笑顔を顔全体に広げた。


「さすが俺の息子だ!
俺が言いたいことがしっかりわかってくれて嬉しいぞ!」


少年は一瞬きょとんとし、すぐに気が付いた。
自分は養父の思惑通りになってしまったようだ。

でも促されて言ったにしても、決断は自分で下したわけで。

なんの不満もなかった。



「さて、善は急げだ!
明日町まで行こう。」


「え、でも…」


「遠慮はするな。
俺たちの子供は何があっても、いつまででもおまえだけだ。

それに、少しくらい親の見栄を張らせてくれよ。」


なっ!と笑いかけると、同じように笑って養母が返す。


「ありがとう…父さん、母さん。」


少年はこの二人のもとに拾われて本当によかったと心から思った。