上弦の月と下弦の月




「さて、おまえはこれからどうしたい?」


突然の養父の問いに少年は小首を傾げる。

養父は瞳の奥を見つめるような真剣な眼差しを少年に向けた。


「おまえは今日で大人になった。

敵に対峙出来るように剣術を叩き込んだ。
料理も手伝わせたから出来るだろう。
まぁ手伝いなどはおまえが自主的に色々やってただろう?
だから必要最低限の身の回りの事は出来るはずだ。

つまり、おまえは充分自立できる。
だから自由にすればいいと思う。」


事の真意がわかり、少年は養父の目を真っすぐ見返す。

その目は真剣そのもの。
揺るぎなどどこにもなかった。


少年は俯き考えだした。

迷いはある。
だが、ここまで充分に育ててくれた二人にこれ以上世話になるわけにはいかないだろう。

何より養父がこれほど勧めてくれてるじゃないか…。