養父は少年の表情をチラッと見て、もう感付いているのだろうか、と思った。 「顔を見ると真っ赤で、凄い熱を出していた。 俺は食材なんて忘れて赤子を抱き抱えて近くの診療所に言ったんだ。 そこで薬を貰い、雨足が弱まった頃合いを見て家に帰った。 俺たちには子供がいなかった。 それに元の場所に戻すなんて間違ってもしたくなかった。 だから俺たちはその赤子を育てることにした。 名前はとても風が強い日だったから…」 「…ウィン」 ボソッと少年は言う。 2人は驚くこともなく少年を見ていた。