「おめでとう、ウィン」
「ありがとうございます、母さん」
暖かい雰囲気が流れ、好物の香りが鼻をくすぐる。
「これでウィンも大人の仲間入りか!
早いものだなぁ。」
「はい。」
穏やかな空気はこの夫婦が織り成す独特なモノなんだろうか。
「さぁ、冷めないうちに食べてちょうだい!」
「はい、いただきます。」
ゆっくりと、でも確実に時は流れる。
夫婦はどうきりだそうか、どういう反応をするだろうかと、色々な考えをずっと巡らせつつもそれが外に出ないように微笑みを絶やさなかった。
やはり、時が過ぎるのは早かった。
暖かな、楽しい時はすぐに過ぎ去った。
ゆっくりとなど流れてはくれなかった。



