私は先生に手を引っ張られて部屋の中に入った。
少し寒い先生の部屋の中。
ファンヒーターをつけてくれた。
私はソファーに座る。
「何か飲む?」
私は首を左右に振った。
「ハル?俺、怒ってないよ?」
先生がソファーに座ってる私の前に膝まつく。
小さい子供をあやすように私の頭を撫でた。
「学生だから友達と遊んだり、飲み会もしたいと思う。俺も学生時代はそうだったから。ただ……もう、男がいるとこには行って欲しくない……」
先生が悲しそうな顔をした。
「先生……」
「ゴメン…。俺、束縛してるな」
先生が苦笑いした。
私は首を左右に振った。
私、もう行かないよ。
男の人が来るとこには行かない。
私は先生が好き。
だから先生に悲しい思いはさせたくない。
私は泣きながら小指を差し出した。
「約束……」
先生は驚いた顔をしてたけど、その顔が笑顔に変わって、私の小指に先生が小指を絡ませた。



