「君こそ、別にハルと付き合いたいわけじゃないだろ?」
「はぁ?」
「優しい言葉かけて適当に遊んで、ヤるだけヤったら捨てる予定だったんだろ?」
男が黙り込んだ。
やっぱりな。
「残念だったな。ハルに彼氏がいて。それに俺は君と違ってハルとは真剣に付き合ってんだ」
俺は横を通り過ぎる時に男の肩をポンポンと叩いた。
「待てよ!」
「はぁ?」
振り返ると、いきなり殴られた。
その弾みでしりもちをついた俺。
「ふざけんなよ!」
と、男に胸ぐらを掴まれた。
「殴れよ。好きなだけ殴れよ」
俺がそう言うと、男は拳を振り上げた。
が……振り上げたまま止まった。
「どうした?殴らないのか?」
俺がそう言うと、男は小さく舌打ちして胸ぐらを掴んでた手を離して、俺に背を向けると公園の出入口に向かって歩き出した。
―瑞樹Side end―



