トイレから帰って、自分の座ってた場所に座った。


私がトイレに行ってる間に、男の子たちの席が変わってて、私の前には幸太郎って人が座ってた。


こっちを見てニコニコしてるし。


他の4人は盛り上がってるし。


私はテーブルに置いた携帯を見た。


【20:10】


もうこんなに時間が経ってたんだ。



「優?私、帰るね」



隣に座ってた優に言った。



「もう?」


「うん…。何か酔っちゃったみたいだし」


「大丈夫?」


「うん」



私は携帯を鞄に入れて立ち上がった。



「ハルちゃん、どうしたの?」



幸太郎って人が聞いてきた。



「帰るって」



優が代わりに言ってくれた。



「あっ!じゃー俺、送って行くよ」



と、幸太郎って人も立ち上がった。


私は手を顔の前で大きく振った。



「いいから。夜道を女の子が1人で歩くのは危険だしさ」



幸太郎って人がニコッと微笑んだ。


私が帰るって言ったもんだから、お開きにしようってことになった。


お会計をキッチリ6等分して、私たちは居酒屋を出て、居酒屋の前で別れた。