トイレに行こうと思ったのに……。
トイレの前には男の子3人がいて何か話していた。
やだ……。
行き辛いなぁ…。
どうしよう。
でも彼らとの距離は遠くない。
幸い彼らは私には気付いてないみたいだった。
「俺、ハルって子がいいなぁ」
「やめとけよ。あの子、耳が聴こえないらしいぞ。それに純粋そうな感じだし」
「だからいいんだろ?ああいう子は警戒心がなくて楽だし。ちょっと優しい言葉かけてやったらホイホイ着いて来そうだしな。それにどうせ処女だろ?久しぶりに処女を抱くのも悪くねぇな」
「何言ってんだよ。悪いヤツだなぁ、幸太郎は」
何を話してるのかはわからなかったけど、3人の笑い声は聞こえた。
話を終えたのか、彼らがこっちに向かって歩いて来た。
私を見ると「トイレ?」と聞いてきた。
私は頷き、彼らの横を通り過ぎてトイレに入った。