先生が私の左手を握った。 ん? えっ? 何? 左手の薬指に違和感が……。 先生に肩をポンポンと叩かれた。 目、開けていいのかな? ゆっくり目を開ける。 先生の笑顔が見える。 違和感のあった左手の薬指を見た。 えっ………。 私の左手の薬指にはダイヤの指輪が輝いていた。 私は先生の顔を見る。 「ハル?」 「ん?」 「俺と………」 先生がそこまで言うと、深呼吸した。 そして――。 「結婚して下さい」