お昼になって、先生が保健室に来た。 朝、作ったお弁当を机に広げる。 阿川先生はお弁当を見て驚いてた。 阿川先生って、手作りのものに飢えてるかと思ったのに…。 奥さんがいたんだったら、先生のだけ作ってくれば良かった。 「これ、香月が作ったの?」 『うん。阿川先生の奥さんには負けるかもだけど』 「それは当たってるな」 阿川先生がクスッと笑った。 『はいはい。ごちそうさま』 私も笑う。 でも先生も阿川先生も「美味しい」って言いながら食べてくれた。 喜んでくれて良かった。