「君はハルのことを好きになってくれた。私ら夫婦の前で愛してると言ってくれた。それは同情だと思ったんだ……。君はハルに障害があるから同情してそう言ってくれてると思ったんだ……。でもな、瑞樹くん……」
お父さんが俺の目を見た。
「は、はい！」
俺は思わず正座をしてしまった。
「君は土下座までしてくれた。ハルの障害は関係ないと言ってくれた。ハル自身を愛してると言ってくれた。凄く嬉しかったんだ。瑞樹くんはハルのことを本当に愛してくれてると思った」
「いえ、僕は自分の気持ちを言っただけですから……」
「さっきも言ったけど、ハルの恋愛や結婚や出産を諦めてた私ら夫婦にとって、瑞樹くんの気持ちは本当に嬉しかったんだ。ありがとう」
お父さんが頭を下げて来た。
「頭を上げて下さい。僕の方こそお父さんやお母さんには感謝してるんです」
そして俺は、お父さんに自分の思ってることを話すことに決めたんだ……。
