次の日――。 携帯のバイブの震動で目が覚めた。 お母さんがお父さんの転勤に付いて行って、誰も起こしてくれる人がいなくなった。 1人で起きるために、パジャマのポケットに携帯を入れて寝るようにしていた。 昨日、また先生の家に泊まった。 ベッドのサイドテーブルにはフグのヌイグルミが置いてある。 先生が"コハル"と名付けたヌイグルミ。 隣では先生が寝てる。 好きな人の腕の中で寝て、そして目覚める。 幸せを感じる瞬間。