「香月さん、先生と幸せになってね」


『うん』


「もし結婚するときには結婚式に呼んでね」


『もちろん!』



私たちは笑い合った。



「そろそろ行くね」


『うん、いつでもメールしてきてね』


「ありがとう。香月さんと再会できて良かった」


『私も』


「じゃー……」



彼女はベンチから立ち上がった。



「吉川さん!」



私は声を出して彼女に言った。



「えっ?」



彼女はビックリして振り返る。



「香月さん……しゃべれるの?」


「うん」


「香月さんの声、初めて聞いた」



彼女がクスッと笑った。



「今度は、手話と口で会話しようね。それから…私のこと、ハルでいいからね」



私はニッコリ微笑んだ。



「うん!ありがとう!私のことも麗華でいいよ!」



彼女もニッコリ微笑んだ。


再会して話したことで、吉川麗華……いや、麗華とのわだかまりが取れたような気がした。


今日、麗華と本当の友達になれた。