「ハル?さっき何してたの?」
「空、見てた」
「空かぁ……。ハルは空好き?」
「うん」
「そっか」
先生は運転しながら私の頭をクシャクシャってした。
「ハル?」
「ん?」
「ハルはさぁ……俺のこと、いつまで先生って呼ぶの?」
「えっ?」
私は先生を見た。
私たちは"教師"と"生徒"の関係じゃない。
だけど私の中では"先生"は"先生"で……。
名前で呼ぶなんて考えてなかった。
それに先生を名前で呼ぶのは恥ずかしい。
「うーん……ずっと先生って呼ぶ」
「そうなのか?」
「うん」
「まぁ、それならそれでいいけどさぁ……でも……」
でも…何?
私は先生を見た。



