『ただいまー』
あたしの声に反応したみっちゃんが
『おかえり~』
とキッチンから声をあげた。
その声を聞いたあたしは
自分の部屋に向かい
制服から部屋着に着替え
邪魔な前髪を
お気に入りのさくらんぼのゴムで
縛ってまたリビングに降りた。
『今日は遅かったのね~?』
今日の夕飯であろう
唐揚げを揚げながらみっちゃんが
顔だけであたしを見る。
『そー?』
そうよっと笑い
『暗くなかったー?』
と再びみっちゃんはあたしに問う。
『暗かったー…けど
祐希と一緒だったから
平気だった~』
あたしの答えに
みっちゃんは食いついた。
『なに、ゆーくんも一緒だったの??』
みっちゃんは祐希のことを
ゆーくんと呼ぶ
幼い頃からの愛称って奴ね。

