『お、祐希』
くるっと振り返り祐希を見る。
『後ろから呼んだのに
よくわかったな』
祐希はびっくりしていた。
幼なじみなんだから
わかるよって感じ。
『久々に一緒に帰ろーぜえ?』
下駄箱から靴をだしながら祐希は言う。
『いいよー』
軽く返事をすると
なんの違和感もなく
祐希と並び歩き始めた。
『てか本当に久々だよなー』
カバンを肩にかけながら
言う祐希。
『そうだねー
てか祐希と帰るのって小学生以来だね』
なんて
思出話に花を咲かす。
『中学は
なんか一緒に帰るとか
照れ臭かったよな~』
誰もが通る思春期。
小学生は
男女関係なく遊べるのに
中学生は
なんだか照れくさくて
一緒に帰る以前に
一緒に遊ぶを嫌がった。
まあ今は
全然平気だけどね。
これも大人になった証だな
なんて祐希は笑った。
その笑顔は小学生の頃と変わりなく
可愛かったけど
まあ祐希には
言わないで置くかな。

