―ガンッ
『惚けてんじゃねーよ』
美音のビビらない態度に
イラついたのか
その女はトイレの壁を蹴りながら言った。
『あのさ?何の根拠があって
そんなこと言ってんの?』
やれやれ
という呆れた目をしながら言う美音。
『もう、いーよ。奈未』
クスっと笑いながら
鈴那が奈未と呼ばれる女を止めた。
『は?本当にいいのかよ、鈴那』
奈未は
キレたりなそうに
あたしを見ながら鈴那に言う。
『うん、ありがとう。行こ?』
そう言った鈴那は笑顔だ。
『おめー今度
そんなことしたら殺すからな』
奈未は汚い言葉を残し
スタスタと先を行く
鈴那を追っていった。

