同じ階のトイレに行こうとしたのだが、
こっちこっちっと
鈴那に腕を引っ張られ
余り使われていない
美術室側のトイレに
連れてこられたと言う。
鈴那が楽しそうに
トイレのドアを開ける。
『は?』
思わず呟く美音。
トイレの中には鈴那の他に
4人の女がいた。
鈴那とよく一緒にいる
ガラの悪い女たち。
その中の1人
鈴那の次に際立つ姿の女が
美音に向かって
口を開いた。
『おめー
鈴那の彼氏とったらしいじゃん』
顔から想像がつく少し低い声。
『なに言ってんの?』
美音も
根も葉もない言われように
笑いそうになりながら
負けずと声を低くする。

