部活が終わって7時頃
帰ると家には重苦しい
空気が流れていた…。
「お母さんどうしたの?」
「龍生がまだ学校から帰ってこない」
龍生というのは私の弟。
いつもトン面してどこか
遊びに行くような弟だけど
今は7時。いつもだったら
もうとっくに帰ってる時間
プルルル~♪
その時お母さんの携帯が鳴った。
「あっ。お祖父ちゃんだよ」
「もしもし。なんかあった!?」
『龍生いたよ』
「どこに?!どこにいたの!?」
『小学校で少年野球の練習が
あってそこで龍生は見学
してたのをたまたま見たよ
9時頃に終わるから家まで
送っていくよ』
「わかった。ありがとう。
じゃぁね!」
お母さんが電話を切ったあと
事情を聞いた。ほんと世話の
妬けるやつ。でも無事でよかった
そんな弟の行動が紗季の人生を
大きく変えるとは知らずに
その日は眠りについた。