「さっき、体育で体力測定でさ、100m走で俺の記録1位でさ、そしたら!桐島が凄いねって!俺、イケるかも!」

どうだと言わんばかりに清川は自慢している。



…………………。


「…………え?それだけ?」

「それだけって何だよ!俺にとっちゃすげぇ進歩だぞ!」


…てめぇ!驚かせやがって!!どんだけすげぇ内容かと思ったら全っ然大したことねぇじゃねぇかっ!!

しかもそれは話したうちに入らねぇ。桐島は感想を述べただけだ。


「清川!目ぇ覚ませ!桐島はお前のこと何とも思っちゃいねぇ!」

いい加減諦めろ!

「また…!銀ちゃんそれでも教師かよ!」

清川がプリプリ怒りながらもっともなことを言う。

「俺はムダな応援はしない主義だ」

フン!と冷たく言い放つ。

「クッソ…!でもさ!俺がありがとって言ったら微笑んでくれたし!」


何だとおぉ!?俺の微笑みを…!!
カッチーンと頭にきたがどうにか抑えた。

…フンッ!俺なんて一緒に帰ってる仲だっつーの!
ケッ!ざまぁみろ!



チャイムが鳴るまで、恋する男同士のなんとも低レベルな争いは続いた――。