このまま桐島を押し倒したい衝動を必死で抑え、運転に集中した。

気を抜くとマジで自分のマンションに連れて帰りそうだ…。

集中しろ…集中しろ…、そう頭の中で繰り返していると、

「銀次……」

桐島が呟いて俺の方を見た。



……ななななな名前ぇっ!?

「な!な、何、何で!?……えっ?…えぇ!?…」

慌て過ぎて言葉にならない。三神先生から突然銀次に昇格かっ!?


「…銀次って名前…古風ですね。変わってる」

ああビックリした!!そういうことか!!

「…お、おぉ…」

あんまり可愛いことしないでくれ!マジでもたねぇから…。


相変わらず赤い顔のまま動揺も隠せていないが、兄弟の話をしてあげた。