「先生は本気だ!絶っ対ダメだ!送る」

意地でも譲らねぇぞ。

「でもまだ明るいですし!子供じゃないんだし帰れますよ!」

桐島もちょっとムキになっている。

あぁ………怒った顔も可愛いなぁ…


…じゃなくて!!


「子供じゃねぇから怖ぇんだ。またこないだみたいな変態に遭遇したらどうする!あの時はたまたま俺が通りかかったから良かったものの…」

うっ、と桐島が言葉に詰まっている。
よし、一気に畳み掛けるぞ。

「今は明るいが電車乗って帰ってりゃじき暗くなる。……言うこと聞かねぇなら対策勉強もナシだ」

イチかバチかの賭けだ。これで、じゃあやめる、と言われたら慌ててしまう。


「…先生…ズルいっ…」

悔しそうにキッとこちらを睨む桐島に微笑んだ。



……勝ったぜ。