俺は、どうすればいいんだ…?どうすれば、結衣を守ることができる…?


「俺は、何をすればいい…?」

いまだ不敵に笑い続ける親父に静かに問うと、ただ一言「分かるだろう」と短く返ってきた。


結衣と別れろということだ。

別れるなんて考えられない。失いなくない。でも、守るにはこれしかないのか…?


「それで、退学はなくなるのか…?」

「ああ。ただし卒業間近だからといってごまかしてみろ。その時はもう容赦せん」


さあどうする?と親父はニヤリと楽しそうに笑っている。

ここで身を引けば結衣を守れると分かっているが、どうしても受け入れられなくて言葉が出ない。

なぜこんなに反対されなければならない…。ここまでされるほど、俺たちはそんなに罪深いことをしているのだろうか…。


なかなか答えを出さない俺の目の前で、親父が「ワシに勝とうなんぞ100万年早いわ!!」とガハガハ下品に笑い飛ばしている。



どうする…。どうする俺…。

目を伏せ、この行き詰まった状況をどう切り抜けようかと考えていたその時。




「あなたぁぁっ!!!!」



この空気を突き破るような、甲高い怒声が部屋中に響き渡った。