勘当だあっ!?


「上等じゃねえか!!あいにく俺はこの家より結衣の方が大事だからな!!」

「銀次っ…てめぇっ!!」

血管がぶち切れそうなほど、怒りで顔を赤くさせながら親父はさらに睨みつけてきた。


そんな俺たちのやりとりに、今まで黙っていた結衣が慌てたように顔を上げた。

「そ、そんな!!勘当だなんてやめてください!!私はもういいから…」

「結衣!!親父の魂胆にまんまと嵌るな!!」

「で、でも!!」

あっさりと身を引こうとする結衣を押さえ、再び親父に詰め寄った。


「てめぇと縁が切れると思ったらせいせいするぜ!!」

「先生!!」


こうなりゃこんな家なんて捨ててやる。もうなんの未練もない。

さっさとこの部屋から出て行こうと、結衣の手をとってムリやり立ち上がらせた。


「待て銀次っ!!……ワシが、学園の理事長だということを忘れたのか?」


怒りに満ちた先ほどの表情から一転、意味深な言葉を吐きながら親父はニヤリと不敵に微笑んだ。