考えてみると、藤堂蘭子の一件から約一ヶ月は経過していた。

俺からも動き出さなきゃ、親父とはこのまま平行線な気がする…。

しかし、結衣への忍耐で心身ともに疲れ切っているため、全然気合が入らない…。




相変わらず腑抜け状態のまま学校生活を送る俺に、栗原先生が何やらニヤっと怪しい笑みを浮かべながら近付いてきた。


「三神先生ぇ〜…彼女が来てますよぉ」

「えっ!?」

結衣っ!?

そんなはずないのは分かっているのに、思わずバッ!と振り返った。



「やっほ、三神先生♪」

「……げ」



沙織…。

あれだけ言ったのに、なぜこいつは学校に来るんだ…。しかも今回はついに校内にまで侵入してきやがった…。


「お前な、いい加減にしろよ…」

「久しぶりね!いいじゃない、別に」


相変わらず軽い調子の沙織を引き連れ、校舎を離れた。こいつが校内にいたら有害だ。生徒に影響を与えてしまう。特に男子に。