そして、数日間は結衣の体調を考慮して大人しく過ごした。


しかし不幸は続くもので…。

元気になった頃を見計らって倍返ししてもらおうと襲いかかったが、すでに時遅し。

結衣は一ヵ月後の二次試験に向けて再び勉強モードに突入していた。

あまりお金はかけられないからと、国立大一本に絞っているため勉強に対する力の入れようは半端ない。

ピリピリしたその空気は、とても手が出せる雰囲気ではなかった。


しかも、俺の家に来てはくれるものの甘い雰囲気など一切なく、毎回勉強に付き合わされている。

結衣はここを塾だと勘違いしてないだろうか…。そんな考えがよぎったが、大人しく結衣に従った。




そして、拷問のような禁欲生活を送っているうちに、気付けばもう二月の半ばを迎えていた。

もう少しだ…。今月末の試験が終わればもう俺たちを邪魔するものはなくなる。


…あれ。そういや、親父は何も仕掛けて来ねえな。

もう諦めたのか?いや、まさかな。

あれだけ意気込んでたくせに拍子抜けとはこのことだ。