「よし!じゃあ選べ。俺んちに来るか、俺が結衣んちに泊まるか」

「えぇ!?何でそうなるんですか!?」

「それしかねえだろ。ま、俺はどっちでもいいけど。……早く決めねえとご近所さんに怪しまれるぞ?」


玄関先でもめていたら、さすがに不審がられるだろう。「うぅ…」と言葉に詰まっている結衣に「ほら、ほら」と答えを急かした。


「分かりました…。先生のうちに行きます…」

心底残念そうな顔で結衣は言うが、さっきから俺がどんだけ傷付いてるか分かってんだろうか…。

…切ない…。

遠い目をしながら悲しみに浸っていると、結衣が不安げに聞いてきた。


「先生…何もしない?」



…………。


何を言ってるんだ、こいつは。



「するに決まってんだろっっ!!」

思わず大声で宣言すると、結衣の身体が少しビクついた。


こんだけ我慢させておきながら、まだ手を出すなと?
この期に及んでそんなむごいことを…。
そんな拷問耐えられるか!!