おいおい!!ウソだろっ!?
まさか樋口さんが相手なのか…!?

驚きで開いた口が塞がらない。

それは親父たちも同じだったようで、2人とも口をあんぐりと開けたまま固まっている。



「樋口さん……まじ？」

しんと静まり返っている空気を破り恐る恐る訊ねると、樋口さんは蒼白な表情になりながら俺たちの前に踏み出しひざまずいた。


「も、申し訳ございませんっ!!」

額が床につくんじゃないかというくらい土下座をして謝る樋口さんに、藤堂蘭子も「やめてよ…!!」と泣きながら呟いている。




こりゃ、まじだ…。

……俺、どうなるんだ？


ポカーンと突っ立ったままでいると、突然の急展開になったこの状況に今まで黙っていた親父が口を開いた。


「樋口、本当か？」

硬い声で問う親父に、樋口さんは顔を下げたまま小さな声で「……はい」と肯定の返事をした。