「話しはまだ終わってねえからな!終わったら待ってろよ!!」

「フンッ!お前の話しなど聞くだけ時間のムダだ!」

途中慌てて仲裁に入った樋口さんが親父を連れ出し、俺もそれを追わず、さっさと会場に向かった。
お互い興奮しているため、言い合いを続けたところで意味がない。

それに、そろそろパーティーが始まる時間だ。


「あー…腹立つ…あのクソ親父…」

悪態をつきながら会場に向かうと、藤堂蘭子のお付きのスタッフに呼び止められた。


「三神様はこちらへどうぞ」

「はいはい…」

連れられた先はさっきの控え室。
やっぱりエスコートっていったら登場からだよな…。がっくりと肩を落としていると、準備を終えた藤堂蘭子が近づいて来た。


「三神さん、よろしくお願いしますわよ」

「はいはい…」


藤堂蘭子も緊張しているのか、いつもより少し表情がかたい。