冬休みも終わり、いよいよ来週はセンター試験。

3学期に入ると受験を控える3年生は自由登校になり、チラホラと数人姿が見えるだけ。結衣もほとんど登校しないと言っていた。


結衣がいない学校は寂しいが、家に帰ればその思いも解消される。

そう。学校に来ない日は、俺の家で勉強して帰りを待ってくれている。来てくれとお願いしたのは俺だが、結衣も素直に聞き入れてくれた。自宅より、俺の家の方が静かで勉強がはかどるらしい。


実は、身も心も結ばれたあの夜以来、結衣を抱いていない。

俺としては冬休みは結衣とのラブラブな生活が待っていると思っていたが、「田舎にある母親の実家で過ごす」とあっさり断られた。

その時のショックは計り知れなかったが、試験に向けて最後の追い込みを静かな環境で行いたいという結衣のため、ワガママは言わず我慢した。



そして、冬休みが明けた今も、我慢は続いている。

試験直前ということもあり、手を出せる状況じゃないとさすがの俺も自制していた。

我慢をすることは慣れている…。今まで数々の試練を乗り越えてきたのだから。

そう思っているものの、結衣の甘美な感触を知ってしまった分、過酷さは増すばかり。

近くにいるのに、手は出せない…。

まるで拷問のようだが、これも結衣のためと思えば乗り越えられる……と思う。