手を止めて結衣を確認すると、その目がゆっくりと開いた。

「やっと起きたか」

「…え…?せん、せ…?」

やっと、と言うがまだ外は薄暗い。
結衣は不思議そうに、俺だと分かってるのか分かってないのか、はっきりしない様子で小さく呟いた。


「おはよう、結衣」

「……おはよう…ございます…」

「身体はどうだ?大丈夫か?」

まだ寝惚けた様子でぼんやりしている結衣は、じーっと俺の顔を見つめて何か考えているようだ。何秒か見つめ合ったあと、その視線を下ろして自分と俺の状態を確認している。


「…っ…!!!!」

瞬間、顔を真っ赤に染め上げ、布団をかき寄せながら俺からバッと離れた。

予想通りの反応に声を上げて笑い、離れたその身体を引き寄せた。


「今さら隠してもムダだ。昨日じっくり見たし」

「やだッ!!言わないで!!」

一瞬で目覚めた様子で、赤い顔のまま怒っている結衣の唇にチュッと軽くキスをした。こっちは先ほどの行為で気持ちが高ぶっている。

恥ずかしながら抵抗を見せる結衣の耳元に顔を寄せ、「なぁ、結衣…」と囁いた。


「もう1回、したい」


朝っぱらから飽きを知らない俺の言葉に結衣がギョッと目を見張った。まるで信じられないものを見るかのように。


「ダ、ダメっ!!!!もうムリ!!絶対ムリっ!!」


俺から離れるようにガバッと飛び起き、全身で拒絶する結衣に再び声を上げて笑った。