「んな焦んなよ。時間はたっぷりある」

沙織の手を引き、ベッドに倒す。


スーツを脱ぎ、いざ、と覆い被さったその時、プルルル…と学校用の携帯が鳴り響いた。



「……萎えるわ〜」

沙織がじとーっと見てくる。

「…わりぃ。ちょっと待て」

こんな夜に緊急の連絡かもしれない。無視するわけにいかず電話に出ると、

『三神くんっ!キミもこっちに来んかね〜っ!ガハハハ…』

豪快な教頭の声がした。

「……教頭?どうしたんですか?」

何なんだ一体。
一応聞いてみる。

『今先生たちと一緒に飲んでるんだがね〜、ヒック、女性陣がキミを呼べってうるさくて〜…ヒック』

完全に酔っ払いの声だ。後ろからは、三神先生来てぇ、と栗原先生らしい声がする。


…くだらねぇ!!行くかよ!!こんな時にかけてくんじゃねぇよ!!

「すみません、教頭。今忙しいので」


怒りを抑えた声で、じゃ、と強制的に電話を切り電源も落とした。


ったく、ふざけんじゃねぇ。