沙織はスタスタと部屋に入ると、鞄を椅子に投げ置き、冷蔵庫からビールを取り出してごくごくと旨そうに飲んだ。


「最近どうしてたのよ」

プハッと一息つき、ニコッと笑う沙織。


沙織は大学時代の同級生。その当時はそれほど仲良くもなかったが、卒業後帰国し、偶然再会し意気投合。

その時から関係は続いている。

ちなみに、お互い恋愛感情は全くない。沙織は結婚もしている。

つまり、身体だけの関係だ。性欲を満たすためだけにお互いに利用している。


「明日の早朝旦那が出張から帰ってくるから成田に迎えに行かなきゃなんないのよ。早く帰りたいからさっさとね!」

相変わらずな調子の沙織に笑った。
この後腐れない関係が丁度いい。