「…ごめんな、先生、キミのことは生徒としか考えられない。他の子と同じように……。周りにはもっとイイ男がいるぞ?」


生徒を他の女のようにこっぴどく振るわけにいかない。なるべく優しく、毎度お決まりのセリフで断る。一体何人目だろうか。


はぁ、気ぃ遣うぜ。ったく。

俺の言葉を聞いて、女子生徒は涙を流しながら帰っていった。

当然だが気分がいいもんではない。


だが、俺は今のところ教師だ。
じゃなくても、青臭いガキには興味がない。


「女子高生は守備範囲外だっての」


一瞬、桐島の顔が浮かんだが、それを振り払い、また1人になれる場所を探して校舎を歩いた。