沙織の時といい、兄弟の時といい…。なんで俺はいつもこんな目に…。

生徒たちに冷やかされる中必死で誤解だと説明していたら、今まで黙って様子を見ていた藤堂蘭子が口を開いた。


「三神さん、こちらは生徒さん?ふふ、可愛いですわね」

「え?えぇ、全然可愛くありませんがうちの生徒です」

俺の返答を聞いた清川たちから「銀ちゃんひでぇよ!!」と抗議の声が入る。


「お前らうるせぇんだよ!!さっさと帰れ!!」

一喝したところで誰も聞きゃしない。相変わらずニヤニヤしながら皆ではやし立てている。

そんな様子に藤堂蘭子がクスクスと可笑しそうに笑い出した。


「やっぱり先生は大変ですわね。私は退散したほうがよろしいみたいなので、これで失礼させて頂きますわ」

「すみません…騒がしくしてしまって」

「いいえ、では…いいお返事を期待していますわ」

そう微笑みながら車に乗り込み、帰っていった。


はぁ…あとはこいつらか…。