声がした方にパッと反射的に顔を向けた。


「ぅげぇっ!!清川っ!!」

マジかよ!!なんてタイミングなんだ!!

来るな!来るなよ!


そんな俺の願いも虚しく、清川は「やっぱり!」と言いながらブンブンと手を振ってこちらに走り寄ってくる。
おそらく勉強会の帰りだろう。よく見ると他の生徒も数名おり、「銀ちゃんだ銀ちゃんだ」と一緒に騒いでいる。


「銀ちゃん何してんの!」

「お前ら!!こんなとこで何してんだよ!!しかもこんな時間まで!!お前らだけか!?他の奴らは!?」

つーか結衣は!?こんな遅くまで一緒に勉強してないよな!?


「ああ!他の奴らは勉強終わったらさっさと帰ったよ!俺たちはそこのファミレスでメシ食ってた!」


よかった…。結衣はちゃんと帰ったのか。さすが優等生だ。

ホッと胸を撫で下ろしていると、清川がニヤニヤと笑みを浮かべながら俺にひじを突いてきた。


「銀ちゃんもしかして新しい彼女?」

「バッ…違う!!!!」

あーもう最悪だ!!
やっぱりこの状況をこいつが見逃すはずないよな…。