「……何か御用でしょうか？」

『ふふ、相変わらず冷たいですわね』

この女マジでイラつく…。
クスクスと笑っている藤堂蘭子に、ご用件は？と再び訊ねた。用がなければさっさと切りたい。



『ねえ、三神さん。一度お会いしてゆっくりお話ししませんか？今後について』

ちょうどいい。コイツにもはっきりと婚約話を断っておかないといけない。


「ええ、分かりました」


早い方がいいと、早速今日の夜会う約束をし、電話を切った。



はぁ…今晩も結衣に会えなくなった…。

しかもあの高慢チキな女と2人で会わなければいけない。憂鬱だ…。

はぁ、と再びため息を吐くと、栗原先生と大場先生が並んでニヤニヤと俺を見ていた。


「もしかして彼女ですかぁ？」

「いいですわねぇ若いって」

ホホホ、と俺を見て笑う。
どっからどう見たらそう見えるんだよ。これが楽しそうに見えるか？

「違います…」と力なく答えて、ふらふらと職員室をあとにした。