騒ぎ出したら止まらない。生徒たちは次々と声を上げ、興味津々といった目で俺たちに注目している。

やめろ…やめてくれ……。


「「…銀、ちゃん?」」


生徒の声にピクリと反応し、金一郎と志銅が声を揃えてぶはっと噴き出した。

「銀ちゃんって…!!」と目に涙を溜めながら、口元を押さえ必死で笑いをこらえている。


最悪だ…。もうやだ…帰りたい……。

頭を抱えながら、収拾できずにいるその光景を呆然と見ていると、ニヤニヤしながら志銅が一歩前に踏み出した。


「どーも、銀ちゃんの兄弟です♪よろしくね」

いらぬ挨拶をかまし、スター気取りで生徒たちにひらひらと手を振っている。




……志銅………コロス……


ゴゴゴ…と不穏な空気を放ちながら静かにキレ始めた俺の様子を金一郎が素早く察し、慌てて志銅の腕を取った。

「じゃ!そういうことで!邪魔したな、銀次」

散々掻き回したこの状態を放置して、志銅を引きずりながらそそくさと退散していった。


邪魔したどころじゃねえよ…。
どうしてくれようかこの状況…。
覚えとけよ…。