「ったく、だったら最初からそう言えよ」


ため息を吐きながら呆れ気味に言うと、わりぃわりぃと全然気持ちの入ってない謝罪が返ってきた。


「まあいい。とにかく、余計なことすんなよ。さっさと行け」


「まぁまぁ、俺たちも早く到着しすぎたんだよ。もう少しここでゆっくりするわ」


ソファーに転がりながらテレビをつけている2人を、あっそ、と放っておくことにし、さっさと身支度することにした。はぁ…さっきまでの幸せ気分が台無しだ。



しばらく大人しくテレビを観ていた2人だったが、ふいに金一郎が訊ねてきた。


「なぁ銀次。女ができたのか?」


ネクタイを締めていた手が止まり、身体が固まる。


「…な、何で?」

何で今そんな会話になる!?