「教頭、先日は申し訳ございませんでした」


月曜日の早朝、一番に学校に出勤して教頭に謝罪した。金曜日、あれだけの失態を見せたんだ。そのままにしておくわけにはいかない。

頭を下げたままでいる俺に、教頭はため息を吐きながら言った。


「まぁ…若いうちはいろいろ悩むこともあるだろうけど…、ここは学校だ。今回は大目に見るが、もう二度とあのようなことはないように」


「はい…肝に命じます」


何かしら処分やら説教やらあると思ったが、意外にも教頭からは厳重注意のみだった。早朝ということもあって、教頭以外誰にも姿を見られなかったこともあるらしい。




教頭への謝罪も済み、休んだ分溜まっていた仕事を片付けていると、徐々に他の先生たちが出勤してきた。


「あら?三神先生おはようございます。もう体調はよろしいんですか?」


「…えぇ、おかげさまで。ご迷惑おかけしました」

大場先生が俺の目の前に座りながら心配そうな顔をして聞いてきた。


「それはよかったわぁ。あら?……あらあら?三神先生、何かいいことでもありました?」


大場先生は何かと俺の機嫌に敏感だ。そんなに分かりやすいのだろうか。まぁ、でも今日は隠せないだろう。ニタ〜と顔がにやけていった。


「そうなんですよ!聞いてください!実は―――…」