これは…俺が作り出した妄想じゃないよな……?


念のため、と腕の中にいる桐島に弱々しく呟いたら、桐島が小さく頷いたのが分かった。


ウソだろ……。信じられない…。


潰してしまいそうなくらい強い力を込めて、さらにギュウッときつく抱き締めた。苦しいんじゃないか、と桐島の身体を気遣う余裕もない。今はただその存在を実感したい。


ずっと…ずっと望んでいたものがこの腕の中にある。どうしようもない幸福感が胸に広がっていく。


まだ泣きじゃくっている桐島の耳元に顔を寄せ囁いた。これだけは、聞いておかないといけない…。




「……俺のこと、好き?」


その言葉に桐島の身体が小さく跳ねる。

そして少しの間をあけて、俺の胸に顔を押さえつけたまま、再びコクリと小さく頷いた。行き場のなかった手がおずおずと背に回り、俺のシャツをキュッと掴む。



ぅわ…やばい……。



「どうしよ……。俺、幸せすぎてぶっ倒れそう…」