もう困らせないと約束した以上、桐島の前には姿を現さないと決めた。目の前にすると、今までのように暴走してしまう自信がめちゃくちゃある。


どうすっかなぁ…。運良くというか、明日、明後日は土日だ。とりあえず週明けの月曜日、退職願い出さねぇとな…。って、誰に?やっぱ親父か?…ぅわ…ぶっ飛ばされるな…。しかも理由が失恋なんて、死んでも言えない。


今後のことを考えると頭が痛くなる…。

とりあえず、就職活動?いや、いっそのこと海外にでも行くか…。日本にいたらいつまでも桐島のこと忘れられない。

いや……忘れるつもりなんてないな……。たぶん俺は、このままずっと桐島を想い続ける。叶わなくても。


暗い夜道を歩きながら、これから先のことを考えていた。






――――――――――先生ッ



ピタリと足が止まる。

……なんか桐島の声が聞こえた気がする。いや…幻聴か?ったく、相当重症じゃねぇか。
俺って哀れ…。情けなく肩を落として再び足を踏み出した。





「……待って!!先生ッ!!」