「重い…!!ちょっと銀次!いい加減にしなさいよ!!」


そのまま沙織の身体の上に倒れこみ動けないでいる俺を、沙織は怒りながらバシバシと叩いている。



「……なんでっ……なんでなんだよっ…」


そんな沙織をよそにこっちは桐島に対する今までの感情が一気に溢れ出し、沙織の肩口に顔をうずめたまま悲痛な声をあげた。



「……はあ?」


訳が分からないといった感じで沙織は声を上げ、よいしょ、と力の入っていない俺の身体の下から這い出している。

うつ伏せのままでいる俺に、もう!信じらんない!と文句を吐きながらベッドから降りているのが分かった。おそらく乱れた服を直しているのだろう。




「…もうやだ…学校行きたくない…」


まるで子どもみたいなことを言い出す俺に、沙織も同じく思ったようで、子どもか!と呆れ気味に突っ込んでいる。


「勝手にしなさいよ!あんたの不幸に私を巻き込まないで!」


もっともなことを沙織は言いながら、はぁ、とため息をつきベッドの端に座った。


「……もう、しょうがないから聞いてあげるわよ…」


めんどくさい男、と呟きながら再び沙織はため息をついた。